保険の有効活用術

「マイナス金利と保険。今、どうすべきなのか?」 「マイナス金利と保険。今、どうすべきなのか?」

高橋成壽

profile

高橋成壽(たかはしなるひさ)

寿FPコンサルティング株式会社代表取締役。

FP王子の愛称で親しまれている新進気鋭のファイナンシャルプランナー。職種、業種、収入、性別を問わず相談を受けており、クライアント年齢も20代から90代まで老若男女から頼りにされる存在。100年安心して暮らせるプラン作りをモットーに、相談、執筆、講演を行っている。
1978年生まれ、神奈川県藤沢市出身。慶應義塾大学総合政策学部卒。NPO法人日本FP協会認定CFP®
近著・監修「もしもデューク東郷が終活ノートを作ったら(実業之日本社)」、「ダンナの遺産を子どもに相続させないで(廣済堂出版)」

マイナス金利で魅力が低下した預金金利

今年2月に導入されたマイナス金利の影響で、銀行の預金金利は一段と低下。定期預金にお金を100万円預けても、銀行によってはATMを使って手数料がかかったら、それだけで定期預金で得られる利息以上になってしまうことも。

マイナス金利は保険会社にも悪影響

マイナス金利の影響は銀行預金に限らず、さまざまな金融商品にも影響を与えています。たとえば生命保険。保険会社は保険料を主に日本国債で運用しています。その日本国債の利回りが今回のマイナス金利の影響を受けて一段と低下してしまったために、金利収入の減少に苦慮しています。
たとえば、一時払終身保険などは、途中で解約した場合に「解約返戻金」と言って、今まで支払った保険料の一部が払い戻される仕組みがあり、契約してから一定期間を経過すると、解約返戻金が払い込んだ保険料を上回る契約もあります。
この仕組みを利用して、保険を貯蓄目的で利用する方もいました。しかし今回のマイナス金利を受けて、こういった貯蓄性の高い保険商品は販売が停止されて利用できなくなったり、条件が変更されて貯蓄目的の魅力が大幅に減ってしまったものも出はじめています。

生命保険は来年の標準利率低下で利回りが低下する恐れ

さらに、保険での運用を考える上で厳しい出来事ですが、生命保険業界では2017年に標準利率(業界標準の予定利率)の引き下げが予定されています。標準利率が下がることによって、各保険会社の予定利率も下がり、運用商品や積立商品としての生命保険の魅力はさらに薄れることが予想されます。

では、どうすべきなのか?

マイナス金利を受けて、保険をつかった資産運用は、もう魅力がなくなってしまったのでしょうか?

そんなことはありません。もちろん、保険商品選びは、本来の保険機能も含めた目的やニーズに合った商品をしっかり選び、比較・検討する必要があり、その点では今回のマイナス金利を受けて、資産運用の観点からは選択余地が狭くなったと言えますし、ご要望にまったく対応できない場合もありますが、ニーズ次第では、マイナス金利に対応した、保険を使った運用は可能だと思います。

保険の資産運用におけるメリット「定額利率で運用するタイプの生命保険の利率は固定である」

保険の資産運用におけるメリットのひとつは、「定額利率で運用するタイプの生命保険の利率は固定である」ということです。つまり、保険契約に適用される予定利率は今後市場の金利が低下したとしても契約時の水準からは下がらない、変動しないのです。
銀行の金利は既に下がってしまいましたが、保険に適用される利率はまだ下がっていないものもあります。また今後、前述のように標準利率は引き下げられることが予定されているわけですから、今の段階で、しっかり商品を選定・吟味し比較検討の上で、ニーズに合った定額利率で運用するタイプの生命保険があったなら、少なくとも現在の水準の利率で固定運用することが可能になります。

しかし、もっと大事なことは、決して慌てないこと

おカネを貯める上で、一般的に金利低下局面では「固定金利」を選択したほうが良く、金利上昇局面では「変動金利」の選択が良いとされます。

定額利率で運用するタイプの生命保険についても、今後も、マイナス金利のマイナス幅の拡大予想など、金利低下局面が当分続くと考えるならば、定額利率で運用するタイプの生命保険を選択した方が良いと言えるでしょう。つまり、前述のように今後は標準利率の引き下げも予定されているし、少しでも条件の良いうちに保険を活用した運用を検討したほうが良いでしょう。

逆に、マイナス金利を導入したものの市場の評判も良くないし、今後、金利はさほど下がらないのでは?とお考えであれば、慌てることはありません。金利の底打ちや、上昇を待ち、それから保険での運用を検討すればよいのです。
また、保険を使った運用は、保険本来の機能である各保障を目的として、長期運用が基本です。
マイナス金利の影響以上に、まずは自分に取って必要な保障はなにか、資金計画などをしっかり考えることが大切です。そしてわからないことがあれば、専門家の意見も参考にしながら、決して慌てることなく、しっかり考えてから行動すればよいのです。
もちろん、「金利は今後も下がる」、「保険の条件は今後も悪くなる可能性がある」と判断したのであれば、早めに行動することが肝心です。

たとえば、生命保険を活用した積立ては相対的に魅力が増しています。

最後に定額利率で運用するタイプの生命保険で運用するならば、ぜひ、積立の活用もあるという点を覚えておいてください。

生命保険を活用した積立ては、積立期間中に解約すると、ほとんどの場合、解約返戻金は支払保険料の総額を下回りますが、積立終了後には支払保険料の総額を上回り、その後は銀行の預金金利よりも利率が良い場合が多く、お金が増える商品も存在します。

株式、債券、金利、為替、REIT等、マーケットの変動がその価格等に影響を及ぼす金融商品を購入する際は、必ず個別金融商品の商品説明書等をご覧・ご確認いただき、マーケットの動向以外に、各金融商品にかかる元本割れなどの固有のリスクや各種手数料についても十分ご確認いただいた上でご判断ください。

本稿は、執筆者が制作したもので、新生銀行が特定の金融商品の売買を勧誘・推奨するものではありません。

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