保険の有効活用術

2017年に標準利率(業界標準の予定利率)の引き下げが予定されています 2017年に標準利率(業界標準の予定利率)の引き下げが予定されています

高橋成壽

profile

高橋成壽(たかはしなるひさ)

寿FPコンサルティング株式会社代表取締役。

FP王子の愛称で親しまれている新進気鋭のファイナンシャルプランナー。職種、業種、収入、性別を問わず相談を受けており、クライアント年齢も20代から90代まで老若男女から頼りにされる存在。100年安心して暮らせるプラン作りをモットーに、相談、執筆、講演を行っている。
1978年生まれ、神奈川県藤沢市出身。慶應義塾大学総合政策学部卒。NPO法人日本FP協会認定CFP®
近著・監修「もしもデューク東郷が終活ノートを作ったら(実業之日本社)」、「ダンナの遺産を子どもに相続させないで(廣済堂出版)」

2017年には、マイナス金利の影響で保険料が上昇する?

特集 Vol.4の記事でも紹介しましたが、
生命保険業界では2017年に標準利率(業界標準の予定利率)が引き下げられることになり、各保険会社が生命保険に適用する予定利率も下げられることが予想されます。
2016年2月に導入された日本銀行のマイナス金利政策によって国債の利回りが低下しました。その影響で保険料を主に国債で運用している保険会社は、一段と運用環境が悪化し安定的な運用先の確保が難しくなってしまいました。また、この利回りの低下により金融庁は、生命保険の設計に必要な標準的な金利である標準利率を現在の1.0%から、来年の4月以降は0.25%に改定することを決定しました。標準利率の低下の結果、生命保険に適用される予定利率も低下する可能性が高まっているのです。

生命保険各社の設定する予定利率が下がることで、みなさんが支払う保険料は値上げの要因となります。また運用的な要素のある商品の場合は、保険料が値上がりすることにより運用利率も低下します。

どんな保険に影響があるの?

掛け捨て部分の多い、いわゆる保障性の高い商品はあまり影響を受けないと考えられます。一方で、将来受け取る金額が確定している貯蓄性のある商品は保険料アップによる利回りダウンの影響が大きいと考えられます。具体的には、個人年金保険、養老保険、終身保険、学資保険などの種類の商品です。2016年時点ですでに販売を中止にしている保険会社も多くあります。

どんな人に影響があるの?

貯蓄性の要素の強い保険に影響があるため、お子さんの為の学資保険を検討したい方、老後に備えて資金を積み立てたい方、短期的に保険を掛けつつ積立をしたい方、まとまった資金を一括払いで保険会社に納めて運用したい方は、2017年4月以降は商品性が悪化することが想定されますので、注意が必要です。

影響が少なそうな保険は?

保障性の高い掛け捨てタイプの保険は、標準利率の引き下げの影響はあるものの、各保険会社が事業費率など他の要素を改善できれば、保険料への影響を抑えることができるかも知れません。実際に保険料が試算できるのは2017年3月以降になると考えられます。

影響がなさそうな人は?

既に保険に加入されている方は、加入している契約の利率が変更になることはありませんのでご安心ください。保険の利率は原則として加入時の利率が保険期間満了時まで適用されます。ただし、更新型の契約の場合は更新時点の利率が適用されますので注意が必要です。また、今後保険に加入したり、保険の見直しをする予定の無い方は関係ありません。

保険の加入や見直しを考えている人へ

2017年3月までに新たに保険に加入しようとか、今加入している契約の見直しをしようと考える方も多くいらっしゃると思います。特に貯蓄性の高い商品をご検討されているのであれば、この機会に是非進めていただきたいです。しかし、保険料が上がるからといった理由だけで急いで見直すとニーズに合わなかったということもしばしば。必要性をしっかり確認し、判断の誤りが無いよう十分ご注意ください。

まとめ

保険の標準利率は来年4月に引き下げられますが、これによる保険料への影響は保険の種類や保険会社により様々です。また長い目でみれば、今後再び利率が上がることも考えられます。検討を焦らずに賢い選択と判断を心がけましょう。

株式、債券、金利、為替、REIT等、マーケットの変動がその価格等に影響を及ぼす金融商品を購入する際は、必ず個別金融商品の商品説明書等をご覧・ご確認いただき、マーケットの動向以外に、各金融商品にかかる元本割れなどの固有のリスクや各種手数料についても十分ご確認いただいた上でご判断ください。

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